正義を盾に自分の意見を言う人。

こないだこのような出来事があった。

会社の都合で先輩とスーパーへ買い出しに行った時の話だ。

普段買い物をした帰りはタクシーに乗るのだが、タクシーに荷物を運ぶまでは到底手で持っていける量と重さではないので店の外までカートに乗せていく。

カートからタクシーのトランクへ移した後タクシーの運転手に一言伝え、

僕はカートを元あった位置へ戻しに行った。

僕がカートを戻し終えタクシーへ乗ると先に乗車していた先輩が

「カートなんてそのへんに置いとけ。見ろ、あそこにカートを整理する人がいるだろう。彼らの仕事を取るな。」

と注意された。

僕としては善意でやったわけでもなく、ただなんとなく使ったものを元に戻しただけであって、そこにカートを元に戻す店員さんがいたかどうかなんて気にもしなかった。

そして何より僕は決して誰かに迷惑をかけたわけでもなく、先輩にカートを戻すのを手伝ったもらったわけでもないのに注意されたことに苛立ちを覚えた。

世の中にはこういう人間が沢山いる。

ずいぶん前に

「日本人サポーターが試合観戦後のゴミ掃除することにネット上で賞賛の声」という記事を見た。

それとともにネット上では一部反対の声があった。

「場内では清掃員を雇っている、彼らの仕事を取ることは雇用を減らすことだ。」

僕はこの意見を見たときに唖然とした。

この反対意見を書いた人はゴミ拾いをした人間でもないし、ゴミ清掃員でもない、

どの立場から物を言ってる人なのかが理解できなかった。

まるで自分は雇用を促進させている善人のようにゴミを捨てているのだろうか。

ポイ捨てをする自分を正当化するための意見にしか過ぎない。

世の中にはこういう自分の行いに対して社会のルールやマナー、科学理論などなどよくわからない理論に紐付けして正当化しようとする人間がたくさんいる。

総じて彼らはその道の専門家でもないし研究者でもない、テレビやネットで手に入れた浅い知識を武器に自分の正しさを主張する。

僕はこういう人が大嫌いだ。

話を戻すが先輩は以前このようなことを僕に命令してきた。

缶ジュースを買ってきて飲み終わった缶。

自動販売機から少し仕事場にいたため仕事場のゴミ箱に捨てようとしたとき

「この缶はあそこの自動販売機から出たゴミだからあそこに捨ててこい」

仕事場で出るゴミは産業廃棄物として回収に費用がかかる。

なるべくゴミを増やしたくないのが心情だが、彼はこのようにまるでそれがそういうものだというように自分の意見を押し付けてくる。

そして僕が苛立ちを覚える原因が彼のこの言葉はその場その場で出てくる言葉であり、自分の行動との一貫性が全くないことだ。

どういうことかというと

僕はこの缶を捨てることに承諾し、缶を持って自動販売機の方に捨てに行こうとしたのだが、

その時先輩は

「捨てにいくならついでにあそこのゴミも持って行って捨ててくれ」

と言った。

先輩はどうやら鶏よりもタチの悪い記憶障害らしい。

先輩が指差す方にあるゴミはこの仕事場で出たゴミであって決して自動販売機から出てきたゴミではない。

それなのに先輩は捨てろと言ってくる。それが本心である。

彼は仕事場のゴミを増やしたくがないために、ゴミをどこかへ捨てたい、

自動販売機から出たからなどと言う意見は彼にとってはどうでもいいことで、

ただそこに捨てる口実が欲しいだけなのだ。

このように何かに理由付けてそれが正しいのだと振りかざしてくる人間に嫌悪感を抱く。

こんな話を思い出し、先輩の言葉に苛立ちながらタクシーに乗っていると

「そうだよお兄さん、人の仕事とったらあかんで」

タクシーの運転手も先輩に便乗して僕を小馬鹿にする。

僕はその時何も言い返すことができなかった。

というより彼らと口を聞いてはいけないと思った。

何か悪いことをするとき理由をつけて行う人が多い。

「ーーーがやってたから」

「お前のためにやってるんだ」

「仕方なくやった」

こういう人たちはまるで傀儡のように自分の行動に全く責任を持たずにただ何かのせいで仕方なく私はそのような行いを行ったと言っている。

嫌いな人を叩く理由があるならそれはただ「嫌いだから」で十分である。

何か理由をつける必要もないし、正義ぶる必要もない。

理由をつけるのは自分の行動に責任が持てなかったり、逃げ場を作ってるだけである。

サポーターのゴミ拾いの件で「人の仕事を取るな」と言っている人は、

もし球場に清掃員がいなかったら清掃をするのか?という問いには答えられない。

彼らは掃除をする気なんてはなからない。ただたまたまそこに清掃員という理由があるから強がっているだけだ。

店で使ったカートを戻す店員がいなかったらそいつはカートを戻すのか?

こういう人は店員がいなくてもそのへんにカートを置きっぱにする。

きっと彼らは自分に自信がなくて、何かに頼って、常に自分を正当化できる方法を探している。

自分が悪いことや、マナーを守らないことを知っているからこそ、自分の言っていることが正しいと思ったときここぞとばかりに言ってくる。

目的地に到着しタクシーの運転手がお会計を提示してきたので僕は財布から一万円を取り出した。

「あちゃー、ちょうどはないんかいな?お釣り出すの手間やでー」

タクシーの運転手は小銭を出すのがめんどくさいようで怪訝そうな顔で聞いてきた。

「それがあなたの仕事でしょ」

僕はそう言ってタクシーの運転手からお釣り受け取った。



スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事