男は初めての相手を大体覚えてる

世の中の男性に聞けばわかると思うんですけど

初めての彼女ってのは覚えてるんですよね。

それがいい出会いでも悪い出会いでも。

小学生の頃に付き合ったなんちゃって恋愛より、

大人の男性として一歩階段を上ったあの日のことってのは

海馬を母親の胎内に忘れてきた僕でもよく覚えてるものです。

 

彼女との出会い

高校に言っていない僕はとりあえず住み込みで働くところさがして海の家で働くことにしました。

彼女と出会ったのはそんな海の家でバイトをしている時のことです。

 

働いている人は男女みんな同じ寮で暮らすもんだから、

仕事が終わったらトランプやら飲み会やらしちゃって、

いちゃいちゃわくわくするのが海の家ってもんです。

 

そんななか孤高の童貞を築き上げて漆黒のマントに身を包み、

世の中の陽キャ撲滅委員会二代目会長あたりに就任してそうな僕は、

周りの「なんでこいつ来たんだよ」みたいなテンションに負けじと

「セックス?あんなの本能に負けたサルの戯れですよね」

「ああいうのは疲れるから嫌なんです、、相手に気を使わなきゃいけないので、、」

と独自の童貞理論を持ち出し彼らを論破することに快感を得てました。

 

 

そんなある日いつものようにトランプをしていると、

ちょうど向かいに胡坐をかいて座っている女性の短パンの隙間から

パンツが見えていました。

 

僕は思いました。

 

 

 

「あっこれ僕に惚れてるな」

 

 

学生時代から下の名前で呼ばれると「あっこれ僕に惚れてるな」

落とした消しゴムを拾ってくれると「あっこれ僕に惚れてるな」

と幾度となく「そんなつもりじゃなかった」と嫌われてきた僕ですが、

海馬を母親の胎内に忘れてきた恋愛経験ゼロ男なので、

今回も彼女が僕に惚れていると勘違いしてしまいました。

 

そしてこの勘違いが勘違いで終わればよかったもののそうもいかなかったようです。

以後彼女をエンプーサと呼びます。

卒業

 

エンプーサが僕にパンツをチラ見させてから当時15の僕の脳内はおパンツでおパンパンでした。

しかし見た目はエンプーサ。ビアンカとは対極に位置する存在です。

好かれることに問題はありませんが、僕はエンプーサに全く興味はありません。

 

その後もエンプーサはちょくちょく僕にセックスアピールをしてくることになるのですが、

僕も陽キャ撲滅委員会二代目会長なゆえに、

そう簡単に色恋沙汰に現を抜かすわけにもいきません。

エンプーサのさそうおどりを見事にかわしていきます。

 

ある日いつものように寮のメンバーが集まり海辺で遊んでいると、

ニセたいこうとデビルダンサーがこう言いました。

「飲みすぎちゃったぁ、、私たち先帰るけど@@@くんとエンプーサちゃんはまだ楽しんでていいよー」

 

つらいのはみんな一緒。

この時ほどこの言葉にすがりたかった日はありません。

 

この日は何故か寮ではなく海辺で遊んでいたのでおかしいと思っていましたが、

エンプーサの策略にまんまとはめられてしまいました。

 

仲間になりたそうな目でこちらをみてくるエンプーサ。

ブーメランなら彼女たち三人まとめて駆逐できたはずですが、

あいにく僕にはひのきの棒しかありません。

 

普段はセックスセックスと初めて覚えた呪文のようにはしゃいでるヤンキーも

今回はおとなしく帰る準備をしています。

 

おそらくニセたいこうかデビルダンサーを狙っているのでしょう。

全員まとめてニフラムを唱えたかった僕ですが、

セックスレベルの負けている僕の呪文は効果がありませんでした。

 

「エンプーサちゃんも酔ってるようだしもう帰ろっか?」

「ううん、まだ飲みたりない」

 

仲間になりたそうな目でこちらをみてくる(二度目)。

真夜中の海辺には僕とエンプーサの二人しかいません。

彼女の討伐をあきらめ、どうにかルーラでこの場から離脱できないかと考えていると、

 

「ねぇ抱っこして?」

 

 

 

彼女はザキを唱えました。

 

 

僕は陽キャ撲滅委員会二代目会長。

 

セックスとは程遠い人生を歩んで生きてきたものの、中身は15のティーンネージャー。

 

6つ上のお姉さんに誘わるシチュエーションなんて

考えただけで僕の股間はアストロン。

ひのきの棒はたちまちメタルキングの剣となります。

見た目はエンプーサされどエンプーサ。

 

 

僕は陽キャ撲滅委員会二代目会長を辞任しました。

逃げきれない魔の手

 

夏も終わり、僕たちバイト勢たちは各々の故郷へと帰る日も近づいてきました。

ごく一般的なヤングスターっていうのは

バイト代はすべてマックとゲーセンで使うと相場決まっています。

 

これは義務教育行ううえで避けては通れない道ですし、

こうして男の子は金銭感覚を身に着けていくのです。

僕もこのバイト代でいかに友人と楽しい遊びをするかなんて考えてうきうきしていました。

 

そんななかエンプーサの

 

「私に会いに来て」

 

のセリフには青天の霹靂でした。

頭に二本の避雷針をもっているエンプーサにとって落雷を落とすことなど朝飯前。

 

ひと夏の思い出と昇華されるはずだったエンプーサとの冒険はまだ終わっていなかったようです。

 

目の前にはいないエンプーサ。

ここで無視してしまえばいいことです。

僕には待つべき友がいる。

彼女の記憶はバギクロスとともに吹き飛ばしてしまえばいい。

 

 

 

 

僕は陽キャ撲滅委員会二代目会長を辞任しました(二度目)。

ビバッ愛知へ

エンプーサに会いに神奈川から愛知への旅に出た僕。

見事エンプーサとの再会を果たすことにできました。

「今日うち親いないから、、、」

むしろここまで来て親がきたら家をメガンテで破壊されても文句は言えません。

僕の股間はすでにアストロn《略

なんだか彼女もかわいく見えてきました。

 

30分後

 

 

僕はドラゴンボールを見ていました。

 

きっかけはいつだって単純です。

「私ドラゴンボール好きなの」

僕の伸びきった如意棒を無視してエンプーサはおもむろにDVDをセットし始めました。

しかも1話から。

 

一体どういう思考回路なのかエンプーサなりの照れ隠しなのかわかりませんが、

神奈川から愛知まできてドラゴンボールを見せられている僕。

 

あなたの探しているドラゴンボールはすぐそこにありますよ。

食い入るようにテレビの画面を見ているエンプーサにそう言ってあげたい。

 

そして初の天下一舞踏会が始まるというとき、

僕も心なしか続きが気になってわくわくすっぞしてるとき、

ガチャッ

 

エンプーサの母親が帰ってきました。

「やばい!!」急いでDVDを消すエンプーサ。

なにがやばいのかわかりませんが、

ドラゴンボールを見ていただけで家から追い出される僕。

 

一体何をしに来たのか。

世界に憎しみを抱きながら見知らぬ愛知の街を一人彷徨います。

決意

そんなエンプーサとのお付き合いを進めていくうちに

徐々に負担に感じることがありました。

 

金銭感覚の違いです。

 

付き合った彼女にはお金を出させないをポリシーに生きている男性はかっこいいです。

僕もそうでありたい。

しかし15歳の僕にとって22歳の大人と付き合うのは想像以上にお金がかかります。

同じ年の子なら一緒に近くのゲーセンでプリクラとって超ハッピーなんてデートなら僕だって出せました。

 

「年上の彼女と付き合うとお金とか出してくれるんだろ?」

そう聞かれたこともありました。

 

 

「答えはノーです」

 

 

 

エンプーサはことあるごとに

「私っぽくない」

「食べ放題ってださいのよね」

「私に見合う男になって?」

とお姫様気質を見せてくる割に一銭もお金をだしません。

 

エンプーサっぽさがなんなのか僕には理解できません。

腰に巻いてるあれがエンプーサっぽさなのでしょうか。

一度お金に困った僕が「ホストでもやろーかなー」と悩んでいると

「それ浮気?」と怒りつつも自分はキャバクラで働いていたのも謎です。

 

性欲に負け失った自我も徐々に取り戻してきた僕はエンプーサ再討伐に向けて動きはじめます。

愛知を彷徨った時間は無駄ではありませんでした。

あの時あの場所で一人で彷徨い自分と向き合ったからこそ今の僕はいます。

応援するよ

 

「私CAになる」

 

まだ国外追放されていなかったことに疑問をもちつつも

エンプーサの話に耳を傾けます。

 

どうやら持ち前の英語力をいかしてCAになるのが夢だったらしいです。

ちなみに僕と出会う前は牛乳配達をしていました。

もちまえの英語力を生かした彼女のことですから、

おそらくブルガリアあたりから直送してきたやつでしょうか。

いまのいままで見せてこなかったエンプーサの特技に若干頭がメダパニながらも応援します。

 

「2次選考に受かったけど次の面接で気合を入れるために服を買いに行きたいんだ!」

この時点で嫌な気配がしました。

 

ちなみにエンプーサと出会って金銭的に窮地に陥った僕はPS3を売った経験もあります。

PS3とソフトを売った3万円で買ったクリスマスプレゼント。

 

「なんか違うなぁー」の一言で済まされた時はさすがの僕も

「いやお前がほしいいうてたやつうううう」とギガデインを放ちました。

彼女も海馬を母親の胎内に忘れてきていたようでした。

類は友を呼ぶ。

エンプーサに罪はありません。

 

そうして連れていかれた女性向け洋服店「forever21」で

どれにしようかなぁなんて悩んでいるエンプーサに

「藁で編んでやろうか?」なんて当時の僕は言えませんでした。

 

今なら言いたい。

「これでも腰にまいとけ」って草履なげつけたい。

 

しかしまだまだセックスレベルがはじまりの村からちょっと先の洞窟ぐらいしか進んでない僕は

結局「どっちでもほしい!!」のエンプーサに負けてしまうのでした。

金銭面の問題から自分の持ち物を売り始め強制ミニマリストの道を余儀なくされた僕。

 

家族にカツアゲにあってるのかと心配されたこともあり、

しびれをきらしてエンプーサに別れを切り出しました。

いつものようにキャバクラが終わる深夜から朝方まで電話をさせられる日々

 

僕は突然

「もう疲れたから別れよっか」

そういいました。

よく言えた僕。

 

「なんで?どうして?」

自分からではなく相手からフラれることにプライドが許さないのでしょう。

罵声、怒声、ベギラゴン、イオナズン、

さまざまな呪文を浴びせられ

最後に

 

「後悔するよ」

 

そう言い残してエンプーサは本来の住処である森へと姿を消しました。

 

海馬を母親の胎内に忘れてきたのであまり思い出せませんが、

これが僕に初めて出来た彼女の思い出です。

 

その後半年後に

「化粧品の会社起業したからシャンプー買わない?」とのラインが来ましたが

「応援してるよ」と一言返してブロックしました。

 

 

恋愛について

男は名前を付けて保存、女は上書き保存といいますが、

今回に限り【ゴミ箱から完全に削除する】を選択したい記憶でした。

終わります。



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