戦場のラブホテル

 

 

これは僕が初めてラブホテルに行った時の話なんですけど、

僕にはごく一般的な人が日常をまともに生きる上で手にしている

「運」というものを保持していないらしくて、

今回も何故か僕はたまたま初めて入ったラブホテルの部屋の中が電車だったんですよね。電車。

 

何言ってるのかわからないと思うんですけど

その時の僕もまた脳内で人身事故が起きたんじゃないかってぐらいパニックになってました。

 

コンセプトホテルっていうんですかね、

「人間の数だけ性癖がある」とどっかの詩人が言っていたように、

その性癖を満たすために日本国内においても

さまざまなシチュエーションを見たすためのラブホテルが存在するらしいです。

そして数ある普通のラブホテルの中から運の悪い僕はこのラブホテルを引いてしまったわけです。

 

 

今回初めてかつたまたまきんたま入ったラブホテルがそのようなコンセプトを持っていたせいで、

僕らは急きょプレイというなの路線を変更せざる負えませんでした。

 

 

特段そういったプレイをしたことはないですし、

興味がないといえばウソかもしれませんが、

僕も大人になったばかりで刺激が強すぎたっていうか、、、

やっぱりこういうのはボクシングのような格闘技と同じで、

場数を踏んで経験値を積んでから行く必要があると思うのね。

 

それがなんせ初回から行くもんだから僕もまいちゃって、、

街の喧嘩素人かと思ったらホセ・メンドーサでしたみたいな。

第一話からいきなりホセ・メンドーサ。

よっぱらいの丹下段平かと思ったらホセ・メンドーサ。

矢吹ジョーもボコボコです。

 

それでもプライドと座高だけは高いから

「ふーん今日はこんな感じなのね、、」

なんて気取っちゃうんですけど、

どれだけ見た目を取り繕っても身体ってのは正直なもので、

肝心の僕のオットセイはもうゴマアザラシぐらいに小さくなっちゃってるの。

 

だけど「間違って電車に乗っちゃった。」なんて彼女に言えるはずないんです。

なんていうんですかね、人って乗り物乗ると心なしか気持ちが大きくなるっていうか調子に乗りません?

 

もしここのラブホテルのコンセプトが電車ではなくてホワイトハウスか何かだったら

僕も「間違えたところに入っちゃったみたい、、これじゃぁ緊張してできないかも、、」

なんて素直に言えたかもしれないですし、

そしたら彼女は「Yes,we can」なんていって

二人でHAHAHAHAHA

 

・・・

 

・・・

 

まぁ今のは完璧に余談なんですけど、

 

昨今あおり運転が問題になっているように、

人は乗り物に乗るとともに調子にも乗る生き物なんです。

歩いている人の道をふさいだり追い越したりする人って少ないですよね。

それでも車に乗ると調子に乗る。

それは車に限らず電車に乗っている時もそうなんです。

 

 

電車は車のように独立していない一つの個となっているため、

「煽る」という行為があまり見受けられませんがそれでも

やれひじがぶつかっただの

やれ盗撮されただの

車内の分子と分子が喧嘩するってのはよくあることです。

 

僕も何度か電車の揺れとともにひじてつを食らったことがあります。

 

いつものような満員電車で僕の周りには、

毎日が唯我独尊だと感じて人生を謳歌しているミニスカJKと

思春期の子供に「パパは禿げてるから授業参観に来ないで」といわれつつも

家族のために毎日汗水髪の毛を垂れ流して働いている禿散らかしたおじさん、

増えすぎた人類を嗅覚から殺戮するために未来から刺客として送られてきた香水ババア、

日々上司にいびられるストレスを車内でひじてつをすることで発散している若年サラリーマンがいました。

 

あの日は朝から腸内が混雑していて目的地に着いた電車が止まるのが先か、

僕の便が肛門という名の改札を突き破り電車を止めるのが先か刻一刻を争う状況でした。

 

そんな状況で若年サラリーマンからひじてつを食らった僕。

最初のうちは我慢していた僕に調子に乗って電車が揺れるたびにデンプシーロールの如くひじてつを打ってくるサラリーマン。

 

あまりに打ち込んでくるもんで、

手がでるか便がでるかとにかく僕も腹から湧き上がる便意、

いや怒りに身を任せて一発食らわせてやりました。

渾身のヤツを。

これがもし路上とかだったら

「お前いいパンチ持ってんな、俺と組まねえか」って

丹下段平みたいなおじさんにいわれてるのかもしれないんですけど、

それほど思いの他クリティカルヒットだったらしくてしばらく彼のひじてつは止んでいた。

 

 

しかししばらくすると電車の揺れに流されてまたひとつ、またひとつと打ってくるひじてつ。

明らかに今のは揺れと逆だったよね。

慣性の法則ってこういうことなのかなって感心していたけど、

もうなんていうんですかね、どうしてこうも闘争心が湧き出るのかって、

これもう乗り物乗ってるからとか関係ないよねって。

 

多分隣のババアの香水かなんかに人の神経を興奮させる成分とか入ってんじゃないのかなって、

オットセイのフグリ(端的に言えば睾丸)から絞り出したエキスとかなんか塗ってんじゃないのかなってぐらい興奮する。

 

おまけにJKなんて素足丸出しでいるもんだからメスを取り合うオス同士の争いみたいな、

若年サラリーマンと僕はJKを取り合うためにひじてつをしてるんじゃないかなって。

 

僕らの行き場のないオットセイ達もその時はまさかこの興奮作用がJKではなくババアからでてるとは知らずに争うんですよね。

 

当初の目的がなんなのかわからないまま互いに繰り出すひじてつ。

隣のおじさんの頭なんてもう焼野原みたいになっちゃってるし、

まだそこは戦場にしてないんだけどなんて思いつつも車内で始まるひじてつ合戦。

 

いつしか電車も便意も止まり若年サラリーマンが電車を降りたんですよ。

まるで「この狭い車内では本領を発揮できない場所を変えよう」みたいな。

「僕らが本気をだしたら周りがただでは済まない。特におじさんの頭なんて焼野原になっちゃってる」って。

いやだからおじさんの頭はもともとなんだけどここまできたら僕もやってやろうじゃんって。

あのJKは俺が幸せにする、そして荒れ果てたおじさんの頭に再び自然を蘇らせるって気分で電車を降りるんですけど、

電車を降りた途端若年サラリーマンはささっと改札のほうにでていっちゃうんですよ。

あれだけ車内で争いを繰り広げて同じ女を取り合った僕らはいつしか互いに認め合い、

数年後とかには戦友といっても過言ではないほど仲良くなって後世に語り継がれるとかそういうの意識してたのに、

普通にエスカレーターで改札に向かっていっちゃってるんですよね。

 

あまりにあっけにとられたもんで気持ちと肛門がゆるんじゃったよね僕。

それでも「大丈夫だよ、もう戦いは終わったんだよ」ってJKの方振り返ったら、

電車のドアはとっくに閉まって出発してた。

 

見ず知らずのホームに取り残された僕とおじさん。

いやお前も降りてたのかよって。

 

そしたらおじさんが

「いいパンチ持ってんじゃねえか、俺と組まねえか?」なんて

 

 

 

まぁなんていうんですかね、人って乗り物乗ると心なしか気持ちが大きくなるっていうか調子に乗りません?

っていう話だったんですけど、

 

こうやって話せるのも電車に乗っていない僕らの笑い話なだけであって、

実際電車って暗いイメージがあるじゃないですか。

それこそ撮り鉄と呼ばれる電車オタクや、肘鉄とよばれる若年サラリーマンにとっては

恰好の場なのでしょうけども、なんていうのかな、、、

地獄への誘いっていうの?

これから始まる学校や会社、遊びに行くときも車内ってのは結構暇を持て余しますし、

日々の疲れで乗客のほとんどが死んだ魚ような眼をして電車に乗っています。

そういう負のイメージが僕にはあるんですけど、

おそらく企業側も僕と同じ考えをもっていてそれをどうにかしたいと考えているはずなんですよね。

 

目的地への移動手段としてではなく、

電車を目的として利用してほしい。

もっと楽しそうな顔で乗ってほしい。

電車って言われたらよだれを垂らすようなパブロフの人間を作り出したい。

 

そういう思いで企業は活動しているわけで、

じゃぁどうしたら電車に楽しいイメージがつくのかって考えたら、

そうだ

 

 

「ラブホテルにしよう」

 

って思ったんですよ。

日々通勤通学に疲れた僕たちが持つ電車のイメージを変えようとしたんです。

 

 

「電車にのらない?」なんて気軽に誘える場所、

楽しくて電車を見るだけでよだれが出るような場所、

電車こわくないよ?電車楽しいよ?って

そんな企業努力の背景からこのラブホテルの部屋は電車になったんだなって思いました。

 

 

まぁそれでもやっぱり僕のオットセイが牙をむくことはなく、、

オットセイのフグリ(端的に言えば睾丸)から絞り出したエキスを貰ってくればよかったと悔やんだ僕に

企業努力とプレイができたかどうかと聞かれたら、

「No,we can't.」といいたいです。

 

 



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